【平昌/韓国 14日 AFP】盧武鉉(ノ・ムヒョン、Roh Moo-Hyun)大統領は14日、国際オリンピック委員会(IOC)に対し、2014年の冬季五輪開催候補国として韓国の平昌をアピールした。

 同大統領は外遊先のスペインで、「世界で唯一、冷戦時代のまま分断されている場所」での五輪開催は、大会の理念を高め、朝鮮半島と北東アジアに平和をもたらすだろうと述べた。

 ソウル東方150キロの江原(Gangwon)道の平昌は人口4万9000人のリゾートタウン。また江原道は非武装地帯を挟み、韓国と北朝鮮の両国にまたがる行政区。北朝鮮のオリンピック委員会も同地で開催する方針に同調している。

 16人で構成されるオリンピック委員会は14日から3日間かけ、韓国が候補地としてあげている平昌(Pyeongchang)を検討する。ライバル候補地としてはロシアの黒海に面したリゾート地ソチ(Sochi)と、オーストリアのザルツブルク(Salzburg)の名があがっている。

■ 最高の五輪を約束

 盧武鉉大統領は「(開催の)機会が得られれば、平昌は五輪とパラリンピックの史上最高のホストを務めることを約束する」と述べた。

 平昌冬季オリンピック誘致委員会委員長の韓昇洙(ハン・スンス、Han Seung-Soo)会長はIOC委員に対する誘致演説の中で、「平昌での2014年冬季五輪開催はふたつのコリアの和解を促進すると強く確信している」と述べた。また、前日共同宣言を採択し閉幕した北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議にも触れ、「この歴史的な合意は、われわれ全員が掲げる五輪の精神につながるものだ」と語った。

 招致委員会は非公開で、会場や五輪村、環境、輸送状況、宿泊施設状況、広報活動などについてプレゼンテーションを行なった。

 IOCの猪谷千春副会長が率いる評価委員会は15日に、平昌地域の竜平(Yongpyong)リゾート やチョンソヌプ(Jeongseon)、Bokwangフェニックス・パークなどにあるスキー、スノーボード、スキージャンプ施設などを視察する。候補地3か所のうち、検討されるのは平昌が最初だ。

 開催地の最終決定は7月にガテマラ市(Guatemala City)で発表される。

 写真は平昌で行われたプレゼンテーションに参加したIOCのメンバーら。(c)AFP/KIM JAE-HWANs