【バンコク/タイ 18日 AFP】高校の制服姿でしゃがみ込み、Pheungさんが夢中で作っているのは、ビーズのキーホルダー。毎週金曜になると彼女はバンコク(Bangkok)の中心街にある市場の一角で出店を開き、1本当り約30分かけて仕上げたきらびやかな作品を1個220バーツ(約786円)で販売している。

 まだ18歳の女子高校生の彼女は「キーホルダーや携帯電話ストラップを自分でデザインして作ってます。お客の目をひきつけるには、既製品にはない独創性が必要なんです」と語る。

 流行の発信地サイアム・スクエア(Siam Square)にあるここ「Indy in Town」は、多くの若者達がさまざま品を製作・販売しており、競争は非常に激しい。

 Pheungさんがここで店を開いたのは3か月前。まわりにはおしゃれなブティックが数多く入居しており、いわば東京の原宿のような場所だ。若者達はキーホルダーや携帯電話のネックストラップのほか、手作りのイヤリングや写真立て、写真アルバム、革表紙のノートなどを販売している。

 商品は通路の端から端まで敷かれた赤い防水シートの上に並べられ、出店の場所は黒いテープできちんと区画してある。売り手の多くは制服姿のままだが、まるでファッションアドバイザーのように、店頭に並べたアクセサリーのコーディネートをアドバイスする。

 サイアムスクエアにある「Centre Point」は、高校や大学に通う学生達に最も人気スポットとして、互いのおしゃれ自慢をするだけの溜まり場に過ぎなかったという。この場所を運営して9年になるCentre Point Entertainment CoのParatee Unareeさんによると、若者達の活動にこの場所を解放したのは3年前。以来毎年多くの若者達が出店を希望して集まってくるという。

 現在約80店舗が出店し、学業を妨げないよう配慮して、市場は金曜限定で開かれている。「independent(独立)」という意味の「indy」という名前は、若者達が独立ブランドを展開する場所という意味で付けられた。客たちによれば、他の店よりも値段は少々高めとのことだが、値引き交渉も結構とのことだ。写真は2日、バンコク市内の「Indy in Town」で手作り商品を販売する若者たち。(c)AFP/Saeed KHAN