【ソウル/韓国 19日 AFP】 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が、同国内のすべての日本車を撤去するよう命じていたことが明らかになった。

 聯合ニュース(Yonhap News)によると、故金日成(キム・イルスン、Kim Il-Sung)主席の遺体が安置される錦繍山記念宮殿(Kumsusan Memorial Palace)を1月1日に金総書記が訪問した際、故障した日本車が道路をふさいでいたことが、今回の撤去命令につながった。

 関係筋によると、「1月1日に錦繍山記念宮殿を訪問した後、故障した日本車が通行を妨げていたのを見た金総書記が、国内の日本車すべてを撤去するよう国防委員会(National Defence Commission)の布告を発した」という。

 しかし、北朝鮮内で使用されている車両のほとんどは日本製であるため、撤去命令が全面的に実施されるかどうかは不明だ。

 北朝鮮による前年7月のミサイル発射実験、10月の核実験実施に対し、日本政府は制裁を課すなど圧力を強めてきた。日本車撤去令は、こうした日本による最近の強硬姿勢に金総書記が不満を表わしたものと関係筋はみている。

 日本政府の制裁措置の1つには、特定船舶入港禁止法による北朝鮮船籍のフェリーの入港拒否があり、2国間の主要な貿易ルートが閉ざされた。また日本政府は、北朝鮮の兵器開発計画に関与しているとして在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に対する一連の捜査を展開している。

 写真は咸鏡北道(North Hamgyong)にある清津鉱山金属大学を視察する金総書記(撮影日不明)。(c)AFP/KCNA via KNS