【ソウル/韓国 7日 AFP】韓国初の女性首相となり、12月の大統領選の候補にその名が挙がっている韓明淑(ハン・ミョンスク、Han Myeong-Sook)首相は7日、正式に離任した。

 聯合ニュース(Yonhap News)が大統領に近い筋の話として伝えたところによると、盧武鉉(ノ・ムヒョン、Roh Moo-Hyun)大統領は新たな首相候補として韓悳沫(ハン・ドクス、Han Duck-soo)前副首相兼財政経済相を指名するとみられる。

 韓氏は10か月間におよぶ首相職から退くにあたり、離任式で記者団に対し「これからは一政治家に戻り、本来あるべき場所に行く」と発言。また、大統領選挙出馬については「これから考えてみる」と述べた。

 韓氏は民主化運動経験者で、地味ながらも確固とした政治指導力を発揮することで知られている。

 支持率の低下など、多くの難問を抱える与党「開かれたウリ党(Uri)」は、韓首相の離任によりさらなる支持率低下が懸念される。

 盧大統領は、12月の大統領選挙に向けてウリ党の支持率回復を図るため、2月にウリ党を離党。また同月には、多数の議員が離脱したことから議席数を失い国会内で第2党となり、ハンナラ党(Grand National Party、GNP)が第1党となった。これを受けて、ウリ党は党をいったん解散し、他党と新たな連立政党を立ち上げる準備を進めている。

 大統領選に関する世論調査の支持率でも、ウリ党はハンナラ党に大きく水をあけられ劣勢となっている。

 写真はソウルで同日、首相離任式を終えて庁舎を去る韓元首相。(c)AFP/JUNG YEON-JE