【ソウル/韓国 17日 AFP】韓国の国家情報院（National Intelligence Service、NIS）は17日、米国の人工衛星が北朝鮮の原子炉周辺で、通常みられない活動を探知したと発表した。北朝鮮政府による原子炉停止の準備作業との報道もある。

　東亜日報（Dong-A Ilbo）によると、「米国は衛星写真で寧辺（Yongbyon）の核施設の冷却塔と駐車場周辺で、通常はみられない人と車両の動きを捉えた。米韓両政府はこれを原子炉の停止に向けた活動と考えている」と伝えた。米国は16日に入手したこの画像を、韓国政府にも渡したという。

　NISは取材に対して、「何らかの活動が行われていることは把握している」と述べたが、その活動の内容については言及しなかった。また、「通常みられない動きがあり、我々は監視と分析を続けている」とも語っている。

　寧辺（ニョンビョン、Yongbyon）の核施設の停止は、6か国協議の非核化プロセスの進展をを左右する重要地点だ。
　
　2月の6か国協議で各国は、北朝鮮が100万トンの燃料支援および安全保障と外交上の利益と引き換えに主要核施設を閉鎖し、国際原子力機関（IAEA）の査察を受け入れるとの内容で合意している。

　しかし、米国の主張によって凍結されたマカオのバンコ・デルタ・アジア（Banco Delta Asia）に北朝鮮が持っていた2500万ドル（約30億円）の凍結解除が遅れたことから、北朝鮮が期日までに行動を起こすことはなかった。米国はマカオの銀行口座の凍結を解除したと先週発表していた。

　写真はDigitalglobeが公表した寧辺核施設の衛星画像（2005年9月11日撮影）。(c)AFP/DIGITALGLOBE-ISIS