【ソウル 30日 AFP】3月に離任した韓明淑(ハン・ミョンスク、Han Myeong-Sook)前首相が30日、12月の大統領選への立候補を表明した。

 離任当時から大統領選出馬がささやかれていた韓氏は同日、出演したラジオ番組で「5月に(立候補を)表明するつもりだった」と語った。

 韓氏は、与党「開かれたウリ党(Uri)」に所属。国会議員を2期務めたあと、2006年4月に韓国初の女性首相に就任した。

 最大野党・ハンナラ党(Grand National Party、GNP)では、朴正熙(Park Chung-Hee)元大統領の娘でもある朴槿恵(Park Geun Hye)前党代表と李明博(Lee Myung-Bak)ソウル前市長が次期大統領候補の座をめぐり激しく競っている。今夏の大統領候補指名選挙で朴氏が勝利した場合、2人目の有力な女性大統領候補が誕生することになる。

 ハンナラ党はここ最近、世論調査で支持率首位を維持してきたが、前月25日に行われた国会議員の補欠3区の選挙では、わずか1議席の獲得にとどまった。

 一方のウリ党は、盧武鉉(Roh Moo-Hyun)大統領が12月の大統領選に向けてウリ党の支持率回復を図るため、2月に同党を離党。また同月、議員32人が離脱したことから国会内で第2党となり、ハンナラ党が第1党となった。これを受けウリ党はいったん解散し、他党と新たな連立政党を立ち上げる準備を進めている。

 ウリ党は独自の大統領候補の擁立をまだ発表しておらず、韓氏がウリ党から出馬するかどうかは不明だ。

 写真は3月7日、首相を離任し政府庁舎を去る韓氏。(c)AFP/JUNG YEON-JE