IPCC報告書を発表、「世界はすぐに行動を起こさねばならない」 - タイ
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【バンコク/タイ 4日 AFP】バンコクで30日から開かれていた国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)の作業部会は4日、報告書を採択した。報告書では「世界は温室効果ガスの削減に向けて今すぐ行動を起こさねばならない」と訴えた。
■「2015年からは減少に」と削減目標を
世界120か国の科学者と専門家が集まり、5日間にわたって行われた協議の末にまとめられた報告書によれば、「気候変動による最悪の被害を避けるには、排出量の増加傾向を2015年までに食い止め、減少に転じさせる必要がある」とする。
温室効果ガスは、太陽からの熱を吸収し地球温暖化を促進する。IPCCは、気温の上昇を摂氏2.0~2.4度に抑えるため、「2015年以降、温室効果ガスの排出量は減少に転じさせ、その後、2000年の水準から50~85%削減すべきだ」としている。「この水準を越えると、気候変動による壊滅的な被害もたらされる恐れがある」とも指摘している。
また、気候変動への対応策で優先順位が最も高いのは、大気中の二酸化炭素濃度を低下させることだという。
■複数の問題で中国と激しい議論も
「排出量削減の費用負担」も、大きな論点の1つだった。複数の会議参加者によれば、「温暖化対策による経済への悪影響」を、最も強く主張したのは中国だったという。
また、中国主導のもと、先進国に対して過去に排出した二酸化炭素に対する責任を問う動きもあり、激しい議論となった。
一方、温室効果ガスを排出する化石燃料からの脱却のため新技術を導入するなかで、「原子力エネルギーを、どの程度重視すべきか」という点も議論となった。
■「温室効果ガスの削減を実現する潜在力がある」
しかし、議論はあったものの、地球温暖化を防止する上で「国際協力の重要性を強調」するとともに、「世界には今後数10年間で、温室効果ガスを現在の水準より下げる、十分な潜在力がある」との最終報告書を採択した。
報告書は「今後20~30年間にわたり排出量を軽減する努力を続ければ、温室効果ガスを低い水準で安定させるうえで大きな力となるだろう」また、「温室効果ガスの削減に役立つツールは既に存在し、早期に実用化できる」としている。
写真は4日、採択された報告書を掲げるIPCC第3作業部会のバート・メッツ(Bert Metz)共同議長。 (c)AFP/Saeed KHAN
■「2015年からは減少に」と削減目標を
世界120か国の科学者と専門家が集まり、5日間にわたって行われた協議の末にまとめられた報告書によれば、「気候変動による最悪の被害を避けるには、排出量の増加傾向を2015年までに食い止め、減少に転じさせる必要がある」とする。
温室効果ガスは、太陽からの熱を吸収し地球温暖化を促進する。IPCCは、気温の上昇を摂氏2.0~2.4度に抑えるため、「2015年以降、温室効果ガスの排出量は減少に転じさせ、その後、2000年の水準から50~85%削減すべきだ」としている。「この水準を越えると、気候変動による壊滅的な被害もたらされる恐れがある」とも指摘している。
また、気候変動への対応策で優先順位が最も高いのは、大気中の二酸化炭素濃度を低下させることだという。
■複数の問題で中国と激しい議論も
「排出量削減の費用負担」も、大きな論点の1つだった。複数の会議参加者によれば、「温暖化対策による経済への悪影響」を、最も強く主張したのは中国だったという。
また、中国主導のもと、先進国に対して過去に排出した二酸化炭素に対する責任を問う動きもあり、激しい議論となった。
一方、温室効果ガスを排出する化石燃料からの脱却のため新技術を導入するなかで、「原子力エネルギーを、どの程度重視すべきか」という点も議論となった。
■「温室効果ガスの削減を実現する潜在力がある」
しかし、議論はあったものの、地球温暖化を防止する上で「国際協力の重要性を強調」するとともに、「世界には今後数10年間で、温室効果ガスを現在の水準より下げる、十分な潜在力がある」との最終報告書を採択した。
報告書は「今後20~30年間にわたり排出量を軽減する努力を続ければ、温室効果ガスを低い水準で安定させるうえで大きな力となるだろう」また、「温室効果ガスの削減に役立つツールは既に存在し、早期に実用化できる」としている。
写真は4日、採択された報告書を掲げるIPCC第3作業部会のバート・メッツ(Bert Metz)共同議長。 (c)AFP/Saeed KHAN