【6月15日 AFP】北朝鮮核問題をめぐる6か国協議の韓国首席代表、千英宇(チョン・ヨンウ、Chun Yung-Woo)外交通商省平和交渉本部長は15日、非核化交渉の進展を阻んでいた資金問題はほぼ解決したとして、北朝鮮は「初期段階措置」履行に向けて早急に動き出さねばならないと述べた。

 北朝鮮の非核化交渉は、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(Banco Delta AsiaBDA)の北朝鮮関連資金をめぐって4か月にわたって行き詰っていたが、うち2000万ドル(約24億円)の移管が始まったことが14日、確認された。

 ワシントンD.C.でクリストファー・ヒル(Christopher Hill)国務次官補と会談し帰国した千部長は、送金手続きの開始で初期段階措置履行への「最初の関門」は取り除かれたと述べ、「今後は2月13日の(6か国協議での)合意事項の実施が焦点となる」と語った。

 ただ、「送金終了までには時間はかからず、北朝鮮が返還を確認すれば終了するはずだ」としながらも、非核化は「BDA問題よりもはるかに難しいだろう」との見方を示した。(c)AFP