【6月22日 AFP】国際五輪委員会(IOC:International Olympic Committee)のジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長は、夏季五輪が変化の時を迎えていると考えている。

 電話インタビューに応じた同会長は「2008年の北京五輪後は、夏季五輪の実施競技は25の中核競技から成り立ち、それぞれの大会ごとに3つの競技を追加する事が出来るようにする。この決定は7月にグアテマラ市(Guatemala City)で開かれるIOC会議で正式に承認されるだろう」と話した。

 中核競技の選定についてロゲ会長は「北京では26の競技が行われる予定だが、その中の1競技は25の中核競技からは外れることになる。新しい手順では、まず中心となる25の競技が決定したらさらに3つの競技がそれぞれの大会ごとに追加される。一度その競技が決定したら、何か深刻な状況が起きない限りは基本的に変更する事はない。また、最大3つまで設定される追加競技の数は基本的に大会ごとに決定される」と説明した。
 
 また、ドーピング問題もロゲ会長が今回主張した議題の一つで、IOCは自転車競技において蔓延していたドーピングを取り締まる為にスペイン当局が行ったオペラシオン・プエルト(Operacion Puerto)と呼ばれる薬物捜査で出た証拠を提出するようにスペイン当局に強く迫る姿勢を見せた。
 
 話はさらに過去の五輪でメダルを獲得した選手の中でドーピングの使用を認めた選手、もしくは使用が発覚した選手についても及び、「我々は法律と選手の権利、裁判の決定を尊重しなければならない。実際的見地から見ると3年以上前にメダルを獲得した選手からメダルを剥奪する事は出来ない。ただそうした選手たちは、五輪の金メダリストだが名前だけということになる。彼らは金メダリストとしてのモラルに欠けている」と話した。

 そしてロシアのソチ(Sochi)、韓国の平昌(Pyeongchang)、オーストリアのザルツブルク(Salzburg)が立候補している2014年の冬季五輪の開催国にはどこが選出されると思うか?という質問に対してロゲ会長は「全ては7月のグアテマラの会議で決定する。質の高い三か国なので、接戦になると思う。勝敗を分ける要素はIOCがどれだけその国の招致委員会に信頼を置けるかに懸かってくると思う。人道的な要素はとても重要になってくる」話した。(c)AFP