【7月6日 AFP】パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)で神学生らが「赤いモスク(Red Mosque)」に立てこもりを続けている事件で5日、新たな銃撃と爆発が起きた。政府は女性と子どもを「人間の盾」としている聖職者から出されていた条件付き投降の申し出を拒否していた。

 政府当局は、立てこもっている急進派の指導者の1人Abdul Rashid Ghazi師が、1000人の支持者とともに武器を置いて投降するべきだとしている。このモスクでは、パキスタン警察および治安部隊と、イスラム神学校の学生らとの間で衝突があり、3日間で19人が死亡している。

 Ghazi師の兄で、赤いモスクの最高指導者でもあるアブドル・アジズ(Abdul Aziz)師は、女性用のブルカを着用し女子学生に紛れて逃走を図ったが逮捕されている。Ghazi師は、当面の前提として、自身の病気の母親といることが可能ならば投降するとし、「神学生の命を救うためにこの申し出を行っている」と語った。
 
 Tariz Azeem副情報相は、即座にこの申し出を却下した。同副情報相はAFPに対し、Ghazi師は20人の女性と人数不明の子どもとともにモスクの地下に隠れているが、法の網を逃れることはできないとし、「『人間の盾』としている女性と子どもを連れ、武器を捨てて投降すべきだ」と語った。

 一方、アフタブ・シェルパオ(Aftab Sherpao)内相によると、モスク内には約60人の「強硬派」の神学生がいるという。

 治安部隊は、衝突の際に逃走を図った8人の神学生を拘束した。モスク側が自爆テロ部隊を組織していると主張していたことから、拘束された際、数人の神学生は目隠しをされ衣服を脱がされた。

 少なくとも50人の神学生が5日、モスクを離れたが、約1200人が投降してきた4日に比べると、ごくわずかなものだった。(c)AFP/Danny Kemp/Sami Zubeiri