【7月12日 AFP】人権侵害や汚職事件をめぐりペルーで刑事訴追されたアルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領(68)について、同国政府からの引き渡し要請の是非を審理していたチリの裁判所は11日、要請を却下するとの決定を下した。

 1990年から2000年までペルー大統領を務めたフジモリ氏は、在任期間中に汚職や人権侵害に関与したなどとして、12件の容疑でペルーへの身柄引き渡しが求められていた。同氏は在任期間中、マルクス主義の反政府勢力と闘うために必要だとして、議会や裁判所を閉鎖した。

 2000年、フジモリ氏は東京都内のホテルの一室からファックスで辞表を提出し、日本国籍を取得している。

 日本政府は、同国民をペルーに引き渡すことを拒否したが、フジモリ氏は2005年11月、ペルー大統領選への立候補を目指して電撃的にチリに入国、直後に拘束されていた。(c)AFP