【11月1日 AFP】韓国文化財庁(Cultural Heritage Administration)は1日、元来は麻薬や爆発物探知が本職の捜査犬を、文化財のシロアリ駆除に役立てようという試みを明らかにした。

  韓国聯合(Yonhap)ニュースによると、国内の歴史的木造建築物約2600件の20%近くがシロアリ被害による危機に瀕しており、緊急なシロアリ対策が急がれていた。

 文化財庁は31日、ソウル(Seoul)市内にある朝鮮王朝時代の古宮、景福宮(Gyeongbok Palace)で、麻薬犬がシロアリをかぎあてる様子をテレビカメラの前で公開した。
 
 投入されたイングリッシュ・スプリンガー・スパニエル犬2匹は、木製の柱を食い荒らすシロアリを、いとも簡単にかぎ当てて見せた。シロアリを探り当てた2匹は、調教師の元に駆け寄り、尾をふって大人しく待機した。

 捜査犬たちは、シロアリの居場所を見つけても、引っかいたりなめたりして貴重な文化遺産に損傷を与えることのないよう訓練されている。

 文化財庁高官のキム・ビョンギ(Kim Byung-Gi)氏は、シロアリ駆除用の装置を使っても駆除に3-6か月はかかるが、捜査犬を利用すれば駆除の費用、時間ともに大幅に削減できると期待を示している。(c)AFP