【11月8日 AFP】ベネズエラの首都カラカス(Caracas)で7日、大統領権限の強化を認める改憲案への抗議デモを行った学生たちが大学のキャンパスに戻ったところ、バイク乗りの2人組に銃撃され4人が負傷した。

 同改憲案は、扇動的な政治手法で知られる強硬左派のウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領が提出し国会で承認されたもの。学生たちは12月2日に予定されている国民投票に抗議していた。

 当初の政府発表では1人死亡となっていたが、後の大学当局発表によると、死亡者はなかったものの、銃で撃たれた学生4人が負傷し、手術を受けるため病院に搬送されたという。

 襲撃犯の身元について当局では不明としている。しかし、政治的にチャベス派と反チャベス派に二極化しているベネズエラでは、過去にも同様の事件が発生しており、反対派はそのつど、こうした事件の背後にはチャベス派の民兵組織がいると非難している。

 現場を目撃した学部長によると、銃撃犯らはバイクで大学に乗りつけ、バスに放火した後、大学構内の建物内にいた学生らに向かって発砲したという。

 同日の抗議デモ参加者の大半が学生で、カラカス市内の最高裁判所まで行進し、国民投票の延期を書面で申し入れた後、大学に戻ったところを襲われた。(c)AFP