【12月2日 AFP】ボリウッド女優マードゥリー・ディークシト（Madhuri Dixit）主演映画の主題歌に下層カーストの感情を害する歌詞が含んでいるとされインドのウッタルプラデシュ（Uttar Pradesh）州が上映を禁止したと関係者が1日に伝えた。

　インドで最も人口の多いウッタルプラデシュ州はディークシトが振付師を演じる映画の主題歌の歌詞に異義を唱えた。歌詞には下層カーストに対する「軽蔑的で侮辱的」な表現があると、Mayawati州首相の上級補佐官Shailesh Krishna氏は語る。同州首相はインド古くからのカースト制最下層の人々の擁護に努めている。政府が主張する箇所は、伝統的に下層カーストである靴屋を軽蔑する表現のある部分。宗教上の理由から、上級カーストの人々は革を触ることはない。

　アニル・メーヘター（Anil Mehta）監督は、物議を醸した歌詞の部分を削除することを迅速に了解した。「私たちは誰かを傷つけるつもりはありません。その一節をすぐに取り除くことに決めました」とムンバイで記者に語った。政府の広報担当者はアニル監督の約束についてすぐにコメントできないという。

　「虐げられた人々」を意味する「ダリット（dalits）」と呼ばれる最下層カーストは、インドの人口11億人の16パーセントを占める。カーストによる差別は廃止されたが、インド人社会で最下層の人々は今でも暴力や虐待、追放に直面している。

　米国を拠点に活動するディークシトが、6年ぶりのボリウッド復帰となる同映画は、大ヒットが予想されている。(c)AFP