【1月11日 AFP】スリランカ政府が、分離独立を求める反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Liberation Tigers of Tamil EelamLTTE)」と結んだ停戦協定の破棄を決定したことを受け、LTTEは10日、停戦協定を復活させる準備は整っているとした上で、交渉を仲介していたノルウェー政府に対し、戦闘の激化にかかわらず、和平への努力を継続するよう求めた。

 LTTEが公式に反応を示したのは、今月初めにスリランカ政府が、2002年に合意された停戦協定の破棄を発表してから初めて。LTTEは、和平プロセスが頓挫している事態に基づき、停戦協定を復活させたい意向を示した。

 LTTEは声明で、「この重大時期に、停戦協定のすべての条項を履行する準備がある。また、協定には100%敬意を払っている」と述べた。

 協定を破たんに追いやったとしてLTTEを非難している同政府は、今回の声明に対する反応は示していない。
 
 国防省によると、同国北部では戦闘が続いており、LTTEのメンバー24人と政府軍兵士1人が死亡した。

 最新の統計によると、今月に入ってLTTE側の死者は163人に上り、軍兵士8人も死亡している。犠牲者の数については、両者の発表に大きな隔たりがあり、独立した検証は不可能になっている。

 またLTTEは、「ノルウェー政府に対して、国際社会の支持ととともに、和平交渉仲介の継続を求める」とし、1972年以降、6万人以上が犠牲になったアジア最長の民族紛争を終結させてほしいと訴えた。

 一方、スリランカ政府は前週、和平交渉を仲介してきたノルウェー政府に対しその役割を停止するよう求めた。(c)AFP/Amal Jayasinghe