【4月14日 AFP】エジプト・ナイル川下流のデルタ地帯にあるマハラ(Mahalla)で前週発生した抗議デモの負傷者数十人が、搬送先の病院で手錠をかけられ拘束されていると、エジプトの人権擁護団体が13日、当局を糾弾した。

 負傷者をベッドに手錠で拘束する行為は、エジプトの法律や国際法、医療倫理に違反した行為であると、人権団体Egyptian Initiative for Personal RightsEIPR、個人的権利のためのエジプト・イニシアチブ)は抗議している。

 EIPRの「健康と人権プログラム」のRagia Elgerzawy医師は、「警察の暴力による被害者には介護と治療を受ける権利があるのであって、健康への権利を侵害されたり、さらなる虐待を受けることがあってはならない。これらの侵害行為が、検察官や病院医師からの何の抗議もなく実行されている事実は、恥ずべきことだ」と述べた。

 エジプト各紙は13日、工業都市Mahalla al-Kobraで、食品や燃料の価格高騰と低賃金に抗議するデモでの負傷者が、腕や足に手錠をかけられて病院のベッドに拘束されている様子を撮影した写真を掲載した。EIPRはそれらの行為がごく日常的に行われていると指摘している。デモでは参加者と警官隊が衝突し、2人が死亡した。(c)AFP