【9月23日 AFP】地球温暖化の影響で、陸地面積の80%以上が氷床に覆われたグリーンランド(デンマーク領)の氷床溶解が加速しているとデンマークの科学者が警告している。

 氷床は地球の淡水体積の10%を占めているが、このうち257立方キロが毎年溶解している。

 だが、米アラスカ(Alaska)州フェアバンクス(Fairbanks)の国際北極圏研究センター(International Artic Research CenterIARC)のデンマークと米国の科学者らによる研究チームは、2080年までに、1年あたりの氷床溶解体積は465立方キロに達すると予測する。

 研究を主導するデンマークの研究者、Sebastian Mernild氏によれば、2080年に溶解する氷床の総体積は現在の81%増となり、年間の海面上昇も107ミリに達すると警告する。

 20世紀の世界の年間海面上昇は平均1.7ミリ程度だったが、衛星観測で1993年以降は1年間に3ミリ上昇し、海面上昇速度が速まっていることが確認されている。

 研究チームは、国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate ChangeIPCC)のグリーンランドの平均気温は今世紀末までに2.7度も上昇するという予測をもとに今回の試算を行った。(c)AFP