ラマダン、断食に参加する「ヤング・ヒーロー」たち イラク
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【9月30日 AFP】イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」中、子どもたちはおなか一杯食べることが許されている。しかし戦争で疲弊したイラクでは、一部の少年少女が大人同様に断食に参加し、「ヤング・ヒーロー」と称賛されている。
保守的な傾向を強めているイラクでは、断食に参加する子どもの数が年々増えている。宗教学者は、断食を始めるのに適した年齢を、女子は9歳、男子は15歳としているが、バグダッド(Baghdad)に住むアーメド・モハメド(Ahmed Mohammed)君は、弱冠4歳にしてラマダンに参加した。
アーメド君はラマダン初日、母親に、「僕も断食したい。一人前の男になる」と宣言して、食べることを拒否した。「おなかがすいてすっごくのどがかわいたけど、イフタール(iftar、日没後の食事)まで、一口も食べなかったし一滴も飲まなかったよ。両親もおばあちゃんも、僕はヒーローだと言ってくれた」
母親のアムナ(Amna)さん(25)は、12時間以上の断食はアーメド君には過酷すぎると思っていた。アーメド君は、のどがかわいたと言って泣き始めたが、それでも水を口に含むことを拒んだという。アーメド君が初日に立派にやり遂げたので、「息子の意志の強さを誇りに思っている」とアムナさん。
多くの家庭では、子どもに対し「deer fasting(シカの断食)」なるものをすすめようとしている。シカは夏季になると食事の量を減らすという言い伝えから、時間を短縮して断食することを言う。将来の本格的な断食への備えとされている。
アーメド君の姉のランド(Rand)ちゃん(6)は、母親と祖母のすすめで、現在「シカの断食」中だ。「でも、アイスクリームが食べたいわ」この季節、バグダッドの日中の最高気温は40度にも達する。バグダッドの大半の世帯では、電気が数時間しか供給されないため、丈夫な大人でも昼間はへとへとだ。
地元の医師は、断食は大人のみならず、子どもや若者に良い影響を与えると指摘する。「子どもはエネルギーがあり余っているから、断食にもよく耐えることができる。でも、暑い季節だから、断食が終わる日没後にはたくさんの水を飲むべきだ」
かつてのイラクでは、断食はかなりいい加減に行われていたと言ってよい。しかし今は、厳格なグループの攻撃を恐れ、道路沿いのレストランは昼間は閉店し、開店している店もカーテンの裏でこっそりと営業をしている。
ラマダンの間、政府の役所はイフタールに間に合うよう、1時間早く業務が終了する。通常はコップ1杯の水とナツメヤシでその日の断食が終了するが、子どもたちには甘いお菓子が待っている。(c)AFP
保守的な傾向を強めているイラクでは、断食に参加する子どもの数が年々増えている。宗教学者は、断食を始めるのに適した年齢を、女子は9歳、男子は15歳としているが、バグダッド(Baghdad)に住むアーメド・モハメド(Ahmed Mohammed)君は、弱冠4歳にしてラマダンに参加した。
アーメド君はラマダン初日、母親に、「僕も断食したい。一人前の男になる」と宣言して、食べることを拒否した。「おなかがすいてすっごくのどがかわいたけど、イフタール(iftar、日没後の食事)まで、一口も食べなかったし一滴も飲まなかったよ。両親もおばあちゃんも、僕はヒーローだと言ってくれた」
母親のアムナ(Amna)さん(25)は、12時間以上の断食はアーメド君には過酷すぎると思っていた。アーメド君は、のどがかわいたと言って泣き始めたが、それでも水を口に含むことを拒んだという。アーメド君が初日に立派にやり遂げたので、「息子の意志の強さを誇りに思っている」とアムナさん。
多くの家庭では、子どもに対し「deer fasting(シカの断食)」なるものをすすめようとしている。シカは夏季になると食事の量を減らすという言い伝えから、時間を短縮して断食することを言う。将来の本格的な断食への備えとされている。
アーメド君の姉のランド(Rand)ちゃん(6)は、母親と祖母のすすめで、現在「シカの断食」中だ。「でも、アイスクリームが食べたいわ」この季節、バグダッドの日中の最高気温は40度にも達する。バグダッドの大半の世帯では、電気が数時間しか供給されないため、丈夫な大人でも昼間はへとへとだ。
地元の医師は、断食は大人のみならず、子どもや若者に良い影響を与えると指摘する。「子どもはエネルギーがあり余っているから、断食にもよく耐えることができる。でも、暑い季節だから、断食が終わる日没後にはたくさんの水を飲むべきだ」
かつてのイラクでは、断食はかなりいい加減に行われていたと言ってよい。しかし今は、厳格なグループの攻撃を恐れ、道路沿いのレストランは昼間は閉店し、開店している店もカーテンの裏でこっそりと営業をしている。
ラマダンの間、政府の役所はイフタールに間に合うよう、1時間早く業務が終了する。通常はコップ1杯の水とナツメヤシでその日の断食が終了するが、子どもたちには甘いお菓子が待っている。(c)AFP