【3月8日 AFP】ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は7日、訪問先のトルコでテレビ出演し、注目を浴びつづけた半生を振り返り、人生のごく普通の楽しみを味わえなくなったことが寂しいが、政治家になったことは全く後悔していないと語った。

 トルコのテレビ局、NTVの女性向け人気番組に出演したクリントン氏は「買い物したり、友人と遊んだりといったことがほとんどできないし、誰にも気づかれずにレストランで誰かと食事しておしゃべりをすることは不可能」と語った。

 また、クリントン氏は、ビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領との結婚や、90年代後半にクリントン政権を揺るがしたモニカ・ルインスキー(Monica Lewinsky)さんとの不倫スキャンダルに対する質問にも答えた。

 夫のビル・クリントン氏の不倫問題を乗り越えることが出来たのは愛情によるものだったのか、それとも友情だったのかと質問され、クリントン氏は「もちろん愛よ!それに許す気持ちと友情、そして家族ね」と答えた。

「家族、信頼、友人がわたしの人生の中心にあるし、わたしは順風満帆なだけの人生を送った人を1人も知らないわ。そんな人がいるのなら、是非知りたい。というのも、これまで長年生きてきて、そんな人物に会ったことがないから」

 そしてクリントン氏は、「わたしは多くのプライバシーを犠牲にしたし、それはとても残念。そんな必要がなければよかったのにね」と語った。

 また、クリントン氏は、人生のごく普通の楽しみを味わえないことが寂しいと告白した。

「歩道沿いのカフェやコーヒー店に座って、人びとを眺めるのが好きだった。でも、今はそれができない。ショッピングが好きだけど、買い物をすることもほぼ無理。ほかの人にはあまり大したことのない、毎日のちょっとしたことや楽しみが恋しい」

 しかし、キャリアの選択に後悔はしていないという。

「でも、多くの恩恵もある。人びとのために行動できると感じるから。何かを失うかわりに何かを得る、それが人生よね。全部を手に入れることはできなくて、どれかを選ばなければならない。そしてオバマ大統領とともに国のために尽くす機会が得られたことに、わたしはとてもワクワクしている」

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