【9月12日 AFP】(写真追加、記事更新)2009年のバスケットボール殿堂(Basketball Hall of Fame)入り式典が11日、マサチューセッツ(Massachusetts)州スプリングフィールド(springfield)で行なわれ、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏らが殿堂入りした。

 NBA王者に6度、シーズンMVPに5度輝き、五輪では金メダルを2度獲得しているジョーダン氏は「わたしは勝つために何でもやった」と語り、闘争心を燃やしてくれた人々に感謝を述べている。

 殿堂入りのスピーチで過去を振り返ったジョーダン氏は、絶えず刺激を与えてくれたコーチ、対戦相手のコーチ、チームメイト、対戦相手に感謝の意を表している。

 セレモニーの前に「史上最高」の賞賛のウエーブが起き、苦笑いしたジョーダン氏は「光栄なことだが、殿堂入りしているすべての選手と対戦したことがないので、わたしはそういう風に自画自賛したことはない。そう尋ねられても困るし、受け入れるのは身に余るよ」と語っている。

 今回の式典では、1992年のバルセロナ五輪で米国バスケットボール代表「ドリームチーム(Dream Team)」のメンバーとしてジョーダン氏とともに金メダルを獲得したデヴィッド・ロビンソン(David Robinson)氏とジョン・ストックトン(John Stockton)氏、ユタ・ジャズのジェリー・スローン(Jerry Sloan)ヘッドコーチ、NCAA女子のラトガース大学(Rutgers University)のC・ビビアン・ストリンガー(Charlaine Vivian Stringer)ヘッドコーチが殿堂入りを果たしている。

 ジョーダン氏は「今回の一員になれて本当に嬉しい。皆が思っていることに反し、殿堂入りするのはわたしだけではなく、われわれグループなんだ。その一員であることを嬉しく思うし、信じて欲しいのだけれど、彼らがわたしを覚えている限り、わたしも彼らを覚えているつもりだ」と語っている。

 サンアントニオ・スパーズ(San Antonio Spurs)でNBA王者に2度輝いたロビンソン氏は、1990年に新人王(Rookie of the year)、1995年には最優秀選手(MVP)を獲得し、全キャリアをユタ・ジャズで過ごしたストックトン氏は、通算アシスト数とスティール数でNBA歴代トップに立っている。

 ストックトン氏が場の雰囲気を読み、招待ゲストは本当はジョーダン氏に会いに来ていると冗談を飛ばしたように、セレモニーの前に元NBA選手のチャールズ・バークレイ(Charles Barkley)氏は「皆ここにマイケルに会いに来ている。彼は史上最高の選手だ」と語っている。

 ジョーダン氏は、自らのイメージとともにNBAの知名度を世界中で上げ、現在はプロゴルファーのタイガー・ウッズ(Tiger Woods)が歩んでいるスポーツの枠を超えた世界的なスターの道を切り開いた。

 ニックネームの「エア(Air)」の名が入ったシューズは、ジョーダン氏に年間100万ドル以上の収入をもたらし、世界中の子供たちが、ジョーダン氏のようになりたいと23番のレプリカのユニフォームを着て運動した。また、ジョーダン氏が主演した映画「スペース・ジャム(Space Jam)」は、世界中で興行収入2億3000万ドルを記録している。

 また、ジョーダン氏が持つ集客力はいまだに健在で、式典が行なわれる会場が殿堂の施設から、倍以上の収容人数を持つシンフォニーホール(Symphony Hall)に変更されている。

 スローン・ヘッドコーチは「マイケルがシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)でしたことだけでなく、世界中のバスケットボール界でしたことを考ると本当に圧倒される。誰もが彼と同じ仕事ができるわけではない。唯一無二だよ」と語っている。(c)AFP