高橋がチャンを破る、日本は総合首位をキープ 世界フィギュア国別対抗
このニュースをシェア
【4月21日 AFP】(記事更新、一部修正)世界フィギュアスケート国別対抗戦2012(World Team Trophy Figure Skating Championship 2012)が20日、東京で2日目が行われ、男子シングル・フリースケーティング(FS)で高橋大輔(Daisuke Takahashi)が、カナダのパトリック・チャン(Patrick Chan)を2シーズンぶりに破った。
2010年の世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2010)王者で、初日に男子ショートプログラム(SP)の歴代最高得点94.00点を記録し、チャンに4.19点差をつけていた高橋は、エディ・ルイス(Eddy Louiss)の「ブルース・フォー・クルーク(Blues for Klook)」に合わせ、ミスのない演技を披露した。
バンクーバー冬季五輪銅メダリストの高橋は、冒頭の4回転トーループに成功し、続けてトリプルアクセル(3回転半)と3回転サルコーも決めると、ステップとスピンで最高難度のレベル4を獲得し、自己ベストとなる合計276.72点を記録した。
演技終了後に高橋は「大きなミスなく最後まで滑れて気持ち良かった。到底届かない思っていたチャンとの差を縮めたことは自信になる。これに満足せず、もっと練習に励みたい」と語った。
■世界王者のチャン、2シーズンぶりの敗戦
一方、チェコのトマシュ・ベルネル(Tomas Verner)に敗れた2010年11月のグランプリ(GP)シリーズ第5戦、ロシア杯(Cup of Russia)を最後に連勝記録を伸ばしていたチャンだったが、今シーズン最後の大会で敗戦を喫した。
男子シングルSPで高橋に次いで2位につけていたチャンは、2回目の4回転ジャンプに失敗し、合計260.46点で2位に終わった。
21歳のチャンは「勝つときもあれば、負けるときもある。最近2年間は素晴らしいシーズンを過ごせた。来シーズンもまた良いシーズンを送れる自信はある」と語った。
また、2014年ソチ冬季五輪で五輪初採用となる団体戦について、チャンは、お祭りのような会場の雰囲気に集中力を欠いていたことを明らかにしている。
今大会は、2011-12シーズンの成績上位6か国の中で選抜された男女シングル各2人、ペア1組、アイスダンス1組による団体戦形式で行われたため、選手が演技後に得点発表を待つキスアンドクライの後方には各国の応援席が設置されていた。
チャンは「これまでとは全然違う環境や形式で行われた大会だった。他国の選手全員から視線を感じる状況では普通の気持ちで滑れないし、威圧感を感じた。その心境が結果に出てしまった」と話した。
■高橋/トラン組がペアSPで首位発進
同日行われたペアSPでは、64.92点を記録した高橋成美(Narumi Takahashi)/マービン・トラン(Mervin Tran)組が首位に立った。
アイスダンス・フリーダンス(FD)では、2011年シーズンの世界王者で米国代表のメリル・デイビス(Meryl Davis)/チャーリー・ホワイト(Charlie White)組が、2012年シーズンの世界選手権覇者でカナダ代表のテッサ・ヴァーチュー(Tessa Virtue)/スコット・モイア(Scott Moir)組に勝利している。
2日目を終えて59点を獲得した日本は首位を守り、2位には51点で米国、3位には44点でフランスが続いている。21日の最終日には女子シングルとペアのFSが行われる。(c)AFP