【7月18日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)のニューヨーク・ニックス(New York Knicks)は17日、ジェレミー・リン(Jeremy Lin)に契約条件を提示しないことを発表し、同選手のヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)移籍が決まった。

 ニックスがロケッツがオファーした3年総額2500万ドル(約20億円)と同等の条件を提示しなかったことを受け、11-12シーズンにニューヨーク(New York)を席巻したリンは、ツイッターに「とても興奮している。再びロケッツの一員になれて嬉しいし、光栄に思う」と投稿した。

 11-12シーズンまで無名の存在で、ロケッツを含む2チームから戦力外通告を受けた後にニックスへ加入したリンは、主力の戦線離脱により先発出場の機会を得ると、華麗なプレーでチームの7連勝に貢献し、ニューヨークのファンを魅了した。

 両親が台湾、祖母が中国出身のリンの人気は瞬く間に世界に広がり、初先発から5試合連続20得点7アシスト以上の記録はNBA史上初の快挙となった。

 7月にフリーエージェント(FA)になって以降、去就に注目が集まっていたリンは、先日ロケッツが提示した条件にサインしていたものの、ニックスには17日までに同額を提示してリンを残留させる権利があった。

 リンに対してどれだけ高額なオファーがあったとしても同等の条件を提示すると明言していたニックスだったが、ロケッツが提示した契約では、3年目に1490万ドル(11億7000万円)を支払うことが記されており、ニックス側が同額を支払えば年俸総額超過でぜいたく税が課せられることになる。

 ニックスのカーメロ・アンソニー(Carmelo Anthony)は、リンへの高額オファーに疑問を呈しながらも同選手の残留を希望していた。

 一方、同じくニックスのJ・R・スミス(J.R. Smith)は、スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)に対し、まだNBA通算64試合しか出場していないリンに高額のオファーを提示してしまっては、仮に残留したとしてもチーム内の雰囲気は悪くなっていただろうとコメントした。

 リンは自身のツイッターに「ニックスと支えてくれたニューヨークのファンに大きな愛と感謝を捧げたい。自分の人生で最も素晴らしい時期を過ごした」と投稿している。(c)AFP