【1月3日 AFP】韓国統一省の発表によると、2012年に韓国に入国した北朝鮮脱出住民（脱北者）は1508人で、11年の2706人から急減した。活動家らは脱北者の取り締まりと国境警備の強化が背景にあると指摘している。

　12年に韓国入りした脱北者のほぼ全員が中国を経由しているが、活動家によれば北朝鮮国内の取り締まりが金正恩（キム・ジョンウン、Kim Jong-Un）体制下で厳しくなったことに加え、中国国内に隠れ住む脱北者についても中朝が連携して摘発を強化しているという。

　脱北者を支援する韓国のキリスト教団体「カレブ宣教会（Caleb Mission）」のキム・ソンウン（Kim Sung-Eun）牧師はAFPの取材に対し、金第1書記の名で北朝鮮の国境警備隊に「国境を不法に越えようとする者は全員射殺せよ」との命令が出ていると語った。

　キム牧師によると脱北にかかる費用も近年増大しており、現在は1000万韓国ウォン（約82万円）ほどで、その大半が国境警備兵への賄賂だという。

　統一省によると1998年以降、韓国に定住した脱北者は2万4613人で、約半数は失業中か定年を迎えて苦しい生活を送っている。(c)AFP