【6月30日 AFP】(一部訂正)サッカーコンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)決勝のスペイン戦を翌日に控えた29日、ブラジル代表のルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督がブラジルにはW杯王者のスペインを倒す力があると強調し、スペイン優位との見方に異を唱えた。

 決勝の舞台となるブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)で記者会見に臨んだスコラーリ監督は、「スペイン優位だとは思わない」と話した。

 監督は、「この6年間、スペインは頂点に居続け、多くのタイトルを獲得し、ほとんど同じメンバーで試合に臨んできた。その点は向こうが有利かもしれない。しかし、我々ここブラジルで大きく意味が持つものがある。それは、ファンの信頼を取り戻したいという我々の願望だ」と、勝利へ向けたサポーターの後押しに期待を寄せた。

 ブラジル国内では現代表に対して多くの批判が出ており、元代表のペレ(Pele)氏は大会前、ブラジルには優勝する力はないと言い放っていた。

 こうした批判に応えることはできたか、と問われたスコラーリ監督は、全体には上手くいっているという考えを示し、「代表チームをめぐる状況は、大会前と比べれば格段に良くなった。30日間ともに過ごすというのは簡単なことではない」とコメントした。

■規律の整ったプレースタイルを貫くブラジル代表

 2つの欧州選手権とW杯で前人未到の主要国際大会3連覇を成し遂げ、栄光を勝ち取ってきたスペインに対し、スコラーリ監督は、過去の代表チームよりもコンパクトで規律を重視した現代表のスタイルを貫く姿勢を示した。

 その一方でスコラーリ監督は、スペインが欧州選手権2008(Euro 2008)以降、「美しい試合をして勝ってきた」のに対し、ブラジルがこれまで「整ったプレーをしたのに勝利を逃す」という悪癖を何度も見せてきたことをを認めている。

 決勝戦が行われる6月30日が、2002年のW杯日韓大会(2002 World Cup)でブラジルが優勝を果たした記念すべき日と同じ日付だと指摘する監督は、日本で行われた同大会の決勝で栄光をつかんだチームが自身にとっての定石になっているのかと問われると、そのことを否定した。

「それは別の時代の話だ。2002年のチームは美しいプレーをした。しかし人は過去は終わったものとして、今を生きなくてはならない」

 またスコラーリ監督は、決勝で勝利することができれば「明確なメッセージになる。我々が(W杯へ向けて)正しい道を進んでおり、優勝候補のグループの中に入っているのだと示すことができる」とコメントしている。(c)AFP/Chris Wright