【9月9日 AFP】第68回ブエルタ・ア・エスパーニャ(68th Vuelta a Espana)は8日、第15ステージ(アンドラからペイラギュド、224.9キロメートル)が行われ、FDJ・ビッグマット(FDJ-BigMatt)のアレクサンドル・ジェニエ(Alexandre Geniez、フランス)がステージ優勝を飾った。

 アンドラから国境を越え、母国フランスで優勝を飾ったジェニエは、2位に入ったランプレ・メリダ(Lampre-Merida)のミケーレ・スカルポーニ(Michele Scarponi、イタリア)と3位に入ったチーム・サクソ・ティンコフ(Team Saxo-Tinkoff)のニコラス・ロッシュ(Nicolas Roche、アイルランド)に3分以上の差をつけ、6時間20分12秒を記録した。

 今年のジロ・デ・イタリア(2013 Giro d'Italia)優勝者で、今大会も総合首位に立つアスタナ(Astana)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)は、4位グループでレディオシャック・レオパード(RadioShack Leopard)のクリス・ホーナー(Chris Horner、米国)、モビスター・チーム(Movistar Team)のアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde、スペイン)らとともにフィニッシュし、総合争いでそれぞれ50秒差と1分42秒差を維持した。

 前日の第14ステージではアンドラに到る厳しい登りのコースと厳しい天候のため16人の選手が棄権を余儀なくされたが、この日は1級山岳の登りが4か所ある、3週間の大会中で最も距離の長い手強いコースとなった。

 6人の先頭集団の1人としてレースを引っ張っていたジェニエだったが、疲れを見せることはなかった。逃げ集団は、コッレ・デル・カント(Colle del Canto)とプエルト・デラ・ボナイグア(puerto de la Bonaigua)を越える頃には19人の集団に2分差、さらにメイン集団に7分差をつけていた。

 すると25歳のジェニエは残り25キロの地点で単独でアタックを開始。コル・デ・ペルスールド(Col de Peyresourde)への登りで驚異的な強さを見せ集団を置き去りにすると、一度も追いつかれることなくメイン集団に5分の差をつけゴールラインを切った。

 しかしながら、総合順位争いはジェニエがフィニッシュした後も、ゴールに続く登りで続いた。上位選手は、一団となって走行していたが、その後はアタックとカウンターアタックの応酬となった。

 バルベルデとカチューシャ・チーム(Katusha Team)のホアキン・ロドリゲス(Joaquim Rodriguez)が最初に仕掛けたがニバリは2人を逃さず、結局この3人にホーナーとアージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r-La Mondiale)のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(Domenico Pozzovivo、イタリア)を加えた総合上位5選手は、全員同タイムでフィニッシュした。

 7日に続く重要なステージを終えてリードを保ったアスタナのニバリだが、残りの4つの山岳ステージに向け油断を全く見せていない。(c)AFP