メキシコ代表新監督にブセティッチ氏が就任
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【9月13日 AFP】メキシコサッカー連盟(Federacion Mexicana de Futbol Asociacion、FEMEXFUT)は12日、代表チームの新監督にビクトル・ブセティッチ(Victor Vucetich)氏が就任することを発表した。
この一週間で3人目の指揮官となるブセティッチ監督は、サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)北中米カリブ海最終予選で敗退の危機にあるメキシコを救うことを目指す。
これまでメキシコリーグのモンテレイ(Monterrey)などを率いてきたブセティッチ監督には、予選残り2試合でチームの運命を覆し、W杯本大会出場を勝ち取るという仕事が課せられる。
メキシコはホンジュラス、米国との試合に連敗したことで、北中米カリブ海最終予選で6チーム中5位に沈んでいる。同地区では3位までが自動でW杯の出場権を獲得し、4位のチームはニュージーランドとのプレーオフに回る。
W杯本大会出場を逃せば、サッカーが絶大な人気を誇るメキシコにとって衝撃的な出来事になる。
「エル・トリ(El Tri)」の愛称を持つメキシコ代表は、W杯過去19回のうち14大会に出場しており、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のハビエル・エルナンデス(Javier Hernandez)らタレントぞろいの現チームへは期待も高かった。
ブセティッチ監督はこれまで、メキシコ国内の複数のクラブを指揮して計13個のタイトルを獲得し、触れたものをすべて黄金に変えるという「ミダース王」の異名を得ている。監督は代表チームの現状について「ミスのできない状況」と語り、10月11日の本拠地でのパナマ戦、15日の敵地でのコスタリカ戦の重要性を強調した。
連盟は7日、聖地アステカ・スタジアム(Azteca Stadium)でホンジュラスに1-2の屈辱の敗戦を喫した直後、「チェポ(Chepo)」ことホセ・マヌエル・デ・ラ・トーレ(Jose Manuel de la Torre)監督を解任した。
後任には、2012年のロンドン五輪で代表を金メダルへ導いたルイス・フェルナンド・テナ(Luis Fernando Tena)氏が暫定で就任したが、11日に米オハイオ(Ohio)州で行われた米国戦に0-2で敗れ、在任期間はわずか1試合で終わった。
メキシコは今後、グループ内での浮上を目指すが、米国とコスタリカはすでに本大会出場を確定させており、現在3位は勝ち点11でホンジュラスがつけている。4位に勝ち点8でパナマが続き、同じ勝ち点のメキシコは得失点差で5位となっている。
ブセティッチ監督は8月にモンテレイの監督を解任されたが、指揮を執った4年間で2度のリーグ優勝と3度のCONCACAFチャンピオンズリーグ(CONCACAF Champions League)制覇を飾り、2012年のクラブW杯(2012 FIFA Club World Cup)では3位に導くなど、素晴らしい実績を残した。
58歳のブセティッチ監督は、2010年のW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)後に代表監督の有力候補に挙げられていたものの、個人的な理由で就任を辞退していた。(c)AFP