イスラム教スンニ派とシーア派の衝突で8人死亡、パキスタン
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【11月16日 AFP】イスラム教の預言者ムハンマド(Mohammad)の孫で7世紀に殉教したイマーム・フセイン(Imam Hussein)の死を悼む行事「アシュラ(Ashura)」の行列が行われたパキスタンのラワルピンディ(Rawalpindi)で15日、シーア(Shiite)派とスンニ(Sunni)派が衝突し、8人が死亡、40人以上が負傷した。
衝突は、首都イスラマバード(Islamabad)に隣接する軍事都市ラワルピンディの中心街で、シーア派の行列が、近くのスンニ派のモスクにさしかかった時に起きた。
ある警察関係者は、「モスクではちょうど説教が行われており、激高したシーア派がこのモスクを襲い、織物市場に放火した」と語った。ある救急当局者はモスクと付属の神学校が放火されたと述べた。
ラワルピンディ地区病院の医師はAFPに「衝突の死者は8人に達し、44人が負傷した。私の病院に運ばれてきた44人の負傷者のうち13人に銃創があった」と語った。発砲もあったため、警察は負傷者が増える恐れがあるとみている。
衝突を受けて多数の兵士がラワルピンディ市内に展開し、シーア派とスンニ派を解散させるため催涙ガスを使用したと報じられている。
パキスタンでは宗派間抗争が頻繁に起きている。国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やイスラム武装勢力タリバン(Taliban)に関係のあるスンニ派の過激派組織は、イスラム教スンニ派が多い同国で人口の約20%を占めるシーア派を攻撃している。シーア派のイスラム教徒がイマーム・フセインを追悼するムハッラム(Muharram)月(イスラム歴の1月)は特に緊迫した時期になる。(c)AFP