【12月27日 AFP】大規模な反政府デモが激化しているタイの政府は26日、来年2月に予定されている総選挙の延期を拒否した。これに先立つ同日、首都バンコク(Bangkok)では総選挙延期を要求するデモ隊と警察が衝突し、警察官1人が銃撃を受けて死亡していた。

 救急医療関係者によると、この衝突で警察とデモ隊の双方に合わせて100人近くが負傷したという。また警察の報道官は、警察官25人が入院、そのうち10人が重体と発表した。暴力の激化を受け、同国の選挙管理委員会も2月の総選挙の無期限延期を要請していた。

 これに対し、ポンテープ・テープカンチャナー(Phongthep Thepkanjana)副首相はテレビ放送された国民向けの演説で、「選挙を延期すればさらなる暴力行為につながるというのが政府の見解だ」と述べ、総選挙を延期しない方針を示した。さらに同副首相は、憲法で議会解散から通常60日以内に総選挙を実施しなければならないと定められていることにも言及。同国議会は12月初めに解散されている。