南ア裁判所、ピストリウス被告の精神鑑定を命令
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【5月15日 AFP】南アフリカの裁判所は14日、交際相手を射殺したとして殺人罪などに問われている南アフリカの両足義足のランナー、オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)被告(27)について、「全般性不安障害」があるかどうかを判定するための精神鑑定を命じた。
ピストリウス被告は、昨年に交際相手のリーバ・スティンカンプ(Reeva Steenkamp)さんを銃で殺害した罪を問われているが、この障害が認められれば、事件当時に完全な責任能力がなかったことを意味する。
裁判では、被告側の精神科医が、幼少期の両足切断に根ざした深い精神不安が、犯罪に対する恐れを高めたと証言したことを受け、検察側が同被告の精神鑑定を求めていた。
2か月間にわたり続く裁判で弁護側は、アルコール中毒の恐ろしい母親と、南アフリカでの高い犯罪率に直面した困難な幼児時代を過ごしたピストリウス被告が、安全問題を過度に意識するようになったと主張。同被告が昨年のバレンタインデーにトイレの中にいたスティンカンプさんを侵入者と勘違いし、鍵のかかったドア越しに発砲して死亡させた際の同被告の行動は、こうした要素から説明できるとしている。
こうした議論を踏まえ、14日の裁判で判事は、障害の有無を鑑定する「適切な調査」が必要だと判断。決定の詳細は裁判が再開される20日に出されると述べつつも、ピストリウス被告を外来患者として扱うという提案を受け入れるかもしれないことも示唆した。
精神鑑定には精神科医との一対一の面談などが含まれ、最大で30日にわたる可能性があるが、判事はこれによって裁判に遅れが出ることはいとわないと述べている。(c)AFP