湾岸都市周辺で親露派が攻勢、ウクライナ軍「重火器撤収できず」
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【2月24日 AFP】ウクライナ政府は23日、同国南東部の港湾都市マリウポリ(Mariupol)近くに親ロシア派の武装勢力が集結し、政府軍への攻撃を続けていると発表した。国連(UN)が支持を表明していた停戦合意の行方に暗雲が立ち込めている。
ウクライナ軍の報道官は、戦闘が続いているため、停戦合意で定められた重火器の撤収を開始することは不可能だと述べた。15日の停戦発効後も、親露派は要衝の町デバルツェボ(Debaltseve)を掌握しており、西側諸国はロシアに対し、停戦合意の履行がさらに危うくなるようであれば追加制裁も辞さないと、重ねて警告している。
ウクライナ軍のバレンティン・フェディチェフ(Valentyn Fedichev)司令官によると、紛争地域における攻撃は全体的には減っているが、22日には同軍の部隊が27回にわたり砲撃を受け、兵士2人が死亡、10人が負傷したという。
ウクライナ政府は、ロシアが戦車20両をマリウポリに送り込んだと非難。22日には戦車からの攻撃が2回あったと発表した。
これに対しロシア側は親露派への武力支援を否定している。だが、ロシアは昨年3月にクリミア(Crimea)半島を一方的に自国編入した際にも介入を一貫して否定しながら、後になって派兵の事実を認めている。
親露派がマリウポリも掌握することになれば、ロシア国境からクリミアへの陸上通路となる地域を勢力下に置くための主要な障害が取り除かれることになる。(c)AFP/Marc BURLEIGH