【3月13日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)は12日、選手協会(NBPA)がサラリーキャプの漸増案を拒否したことを受け、2016-17シーズンから上限額が記録的に上昇することに備えていることを明らかにした。

 NBAはサラリーキャップの急上昇を意図的に抑える措置について、選手会側が2016年から9年総額240億ドル(約2兆9000億円)という新たな放映権の契約が始動することを理由に却下する意向であると発表した。

 NBA側の「スムーズ」な計画は、労使協定に従って選手に分配される収益の割合を51パーセントから変更しないとしているが、2016-17シーズンまではフリーエージェントの選手の給与が急上昇する可能性を抑えこむものとなっている。

 今季のサラリーキャップの上限は1チーム6300万ドル(約76億5000万円)で、来季は1チームにつき概算で300万ドル(約3億6000万円)から500万ドル(約6億円)増える見込みとされていた。しかし、新たな放映権を得てチームが潤えば、1チームの上限額は9000万ドル(約109億円)以上にも急上昇するとみられ、増加率は過去最高の3倍にも相当することになる。

 4度レギュラーシーズンの最優秀選手(MVP)に輝き、今年2月には選手会の副会長に選出されたレブロン・ジェームズ(LeBron James)は昨年、4年間で2度の優勝を経験したマイアミ・ヒート(Miami Heat)を退団して古巣のクリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)へ復帰する際に、サラリーキャップの急上昇を見込んで契約年数を1年のプレーヤーオプションつきの1年にとどめていた。

 新たな資金力を得ることになる各チームが有力選手に対して大金を費やすとみられる来季、ジェームズはフリーエージェントの筆頭として、1億5000万ドル(約182億円)ほどで新たな契約を結ぶ可能性がある。

 2016年の年俸総額が9000万ドルを大きく下回るチームは、現在不振にあえいでいるニューヨーク・ニックス(New York Knicks)やロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)などを含めて、莫大な資金力を駆使して大規模な獲得合戦に乗り出すとみられる。(c)AFP