【4月11日 AFP】サッカー元オランダ代表のディルク・カイト(Dirk Kuyt)が10日、トルコ1部リーグの強豪フェネルバフチェ(Fenerbahce)を退団し、オランダ・エールディビジの古巣フェイエノールト(Feyenoord)に復帰することを発表した。

 イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)でプレーした経歴を持ち、3シーズン在籍したフェネルバフチェで人気が高かったカイトは、チームを退団する決断を下したのは、トルコサッカー界を震撼させたバス襲撃事件の前だったと主張している。

 カイトは自身のフェイスブック(Facebook)に「親愛なるフェネルバフチェのファンへ」と投稿し、「9年間に及ぶ国外での冒険を経て、私は再びフェイエノールトでプレーするために帰ることを決めた」と語っている。

 カイトはトルコで過ごした時間はかけがえのないものだと述べ、フェネルバフチェが激しいリーグ優勝争いを制すためにシーズン終了まで全力を尽くすことを表明している。

 カイトはまた、チームのバスが何者かに襲撃され、ドライバーが負傷した4日の事件前に退団を決断したとし、事件の真相が解明されることを望んでいるとコメントした。フェネルバフチェ側は事件が解決するまでプレーすることを拒否しており、トルコ1部リーグは1週間の中断を決定した。

 カイトは「フットボールにおいて最も重要なことは、人々の健康と安全確保だ」とコメントした。

「これはフェネルバフチェのためというわけではなく、トルコ国内にいるすべてのサッカーファンのためだ。トルコは事件を解決するために真相を究明すべきだ」

 今回の事件で拘束された2人の容疑者は8日に釈放されている。その後、捜査に進展があったのかは明らかにされていない。

 一方、フェイエノールト側はカイトが7月1日から再びチームの一員になることを発表している。

 フェイエノールトから2006年に移籍したリバプールで6シーズンを過ごしたあと、2012年にフェネルバフチェに加入したカイトは、落ち着いた性格と慈善活動に熱心なことから、ファンの間で高い人気を誇っていた。(c)AFP