【5月12日 AFP】第98回ジロ・デ・イタリア(2015 Giro d'Italia)は11日、第3ステージ(ラパッロからセストリ・レヴァンテ、136キロメートル)が行われ、オリカ・グリーンエッジ・サイクリングチーム(Orica GreenEDGE Cycling Team)のマイケル・マシューズ(Michael Matthews、オーストラリア)が優勝し、総合首位の座も維持した。

 前日の第2ステージで7位に入り総合首位に躍り出たマシューズは、集団による最後のスプリント勝負を制すると、10秒のボーナスタイムも獲得してリードを広げている。

 マシューズはレース後、「これ以上、何が望める?」と語り、「ピンクジャージーを背負ってレースを戦い、最後はステージ優勝を飾るなんてね」と喜んだ。

「チームタイムトライアルを制した後、今日のレースは僕たちにとって、もう一つの大きな目標だった。先週、このコースを偵察していたから、展開が読めていたし、うまくいったね」

 同タイムの2位にはトレック・ファクトリー・レーシング(Trek Factory Racing)のファビオ・フェリーネ(Fabio Felline、イタリア)、3位にはBMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のフィリップ・ジルベール(Philippe Gilbert、ベルギー)が入る中、この日のレースでは、アージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r-La Mondiale)のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(Domenico Pozzovivo、イタリア)が大事故に遭遇した。

 チームのリーダーでクライマーのポッツォヴィーヴォは、ゴールまでの終盤38キロ区間におけるダウンヒルで、顔から激しく落車した。

 同区間では、4年前にベルギーのワウテル・ウェイラント(Wouter Weylandt)が死亡した事故の記憶が鮮明に残っており、レースドクターは、倒れたポッツォヴィーヴォの頭から大量の血が流れている様子を記録しながらも、同選手の命に別条はないとして最悪の事態を打ち消した。

 しかし、今回の落車は背筋が凍るほどの衝撃で、事故を最初に目撃したチームメートのユベール・デュポン(Hubert Dupont、フランス)は、「本当に恐ろしかった」と語った。

「彼は目を回していた。医療チームが到着するまで本当に長かった」

 2014年大会で総合5位に入ったポッツォヴィーヴォは、意識があったものの担架に乗せられ、整備されていない周辺の道路網を考慮し、ヘリコプターでジェノバ(Genova)の病院に搬送された。

 レースドクターは、「病院で検査した結果、彼の容体は安定している」と述べた上で、「比較的軽度の頭部外傷である」と説明。今回の転倒は、2011年に起きたウェイラントの事故に匹敵するものではないと強調している。

 しかしながら、ポッツォヴィーヴォの所属チームは、けがの程度について、「頭から顔にかけて、深刻な外傷がみられる」とし、同選手が「右目の上を深く切り、縫合が必要である」と明かした。

 アージェードゥゼルは、ポッツォヴィーヴォを欠いたまま、残りのレースを続けていくとしている。(c)AFP