ウクライナ、「ロシア兵」2人をテロ行為の罪で訴追
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【5月20日 AFP】ウクライナ保安庁は20日、分離独立派が掌握している東部ルガンスク(Lugansk)で起きた銃撃戦で拘束されたロシア軍兵士とされる2人が、「テロ行為」に関与した罪で訴追されたと発表した。
ウクライナ保安庁のマルキヤン・ルブキフスキー(Markiyan Lubkivsky)報道官による交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)への投稿によると、訴追されたエフゲニー・エロフェイエフ(Yevgeny Yerofeyev)大尉とアレクサンドル・アレクサンドロフ(Aleksander Aleksandrov)軍曹は現在、首都キエフ(Kiev)の病院で回復途上にあり、ロシアの親族への電話も許可されている。
ロシア政府は2人について、過去にロシア軍の兵士だったが、2か月近く前にウクライナの戦闘地域に越境して入ったときには既に兵役を解かれていたと主張している。一方、2人は録音された尋問の中で、約2か月前にウクライナの戦闘地域へ入った200人規模のロシア軍偵察部隊の隊員だったと供述したとされる。
ロシア政府は「志願兵」と非番の兵士がウクライナに入っていることは認めているが、彼らが軍の命令を受けているとの主張は否定している。しかし、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は、2人が拘束されたことで、ウクライナ東部の分離独立派の蜂起にロシア政府が直接関与しているという自らの主張が強化されると考えている。
2人についてウクライナ保安庁のある高官は19日、「公判」で裁かれる見込みで、分離独立派と一緒に戦うことを命じられたロシア軍の兵士であることを告白すれば、釈放されるだろうと述べた。
一方、ロシア軍は18日、2人の即時釈放を要求するとともに、2人の処遇をめぐりウクライナ保安庁と直接開かれた協議を行うと約束した。そうした協議が現在行われているのかどうかは定かでない。(c)AFP