ラグビー南ア主将が顎骨折でW杯絶望、代表引退へ
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【9月28日 AFP】ラグビーW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)に出場している南アフリカ代表の主将ジャン・デヴィリアス(Jean De Villiers)が顎の骨折により大会絶望となり、代表から引退することになった。
センターを務める34歳のデヴィリアスは、同国史上4位の104キャップを誇り、37試合で主将を務めた。
幾度もけがをしてきたデヴィリアスは、46-6で勝利した26日のサモア戦での負傷により、国際舞台でのキャリアに幕を下ろすことになった。
デヴィリアスは会見で、「けがをして、南アフリカのためにプレーするのが最後になったと知るのは良い気分じゃない。交代となって走り去るとき、これが最後なんだと分かった」と語った。
「もうこういった機会はない。スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)で13年プレーし、いろいろなことを経験して、多くの友人を作り、良い思いもした。こんな形で終えることになるとは思ってもいなかった」
試合後にチームメートへ骨折について知らせたデヴィリアスは、手術のために28日に帰国する予定となっているという。
「南アフリカのジャージーを着て過ごした時間にとても感謝している。そして、チームの健闘を祈っている」
「チームメートには昨晩伝えた。今は元代表として、彼らの成功を祈っている。そして、私はこれからはナンバーワンのサポーターだ」
■「スプリングボクの戦士」
南アフリカのハイネケ・メイヤー(Heyneke Meyer)ヘッドコーチ(HC)は、デヴィリアスを同国最高の選手の一人であり、「戦士」だとたたえた。
「直近の膝の深刻なけがから立ち直ることを決して諦めず闘う姿は、彼がどれほどの戦士であるかを、どれほどスプリングボクスのジャージーに強い尊敬を抱いているかを、私にもう一度思い起こさせた」
「スプリングボクス最高の選手の一人として語り継がれていくだろう。常にチームを優先し、自分自身を貫きながら若い選手、年上の選手、どんな選手にも時間を割いた彼は、世界のラグビー界でも最高の主将の一人だと私の目には映っている」
世界最高のセンターの一人と目されるデヴィリアスだが、W杯では度重なるけがにより成功を味わい損ねている。
昨年11月のウェールズ戦で膝に大きなけがをしたデヴィリアスは、長い休養から今大会の出場へ何とかこぎ着けた。
8月には歴史的敗戦となったアルゼンチン戦で今回とは逆側の顎を骨折しており、サモア戦での顎の骨折は、この2か月で2度目の出来事だった。
また、2002年の代表デビュー戦では試合開始すぐに膝を負傷すると、その復帰後には肩を痛めて翌年のW杯出場を逃し、さらに南アフリカが優勝を飾った2007年大会の開幕戦で負傷し、その後同大会で出場することはなかった。
今大会のチーム初戦となった日本代表との試合で32-34と敗れ、デヴィリアスとメイヤーHCは激しい批判の矢面に立たされた。
「ラグビー生活の中で最も厳しい一週間だった」と振り返ったデヴィリアスは、南アフリカが3度目のW杯制覇を遂げると信じている。
「週末にはまだ大きな試合(スコットランド代表戦)が控えているのだから、選手たちには私のことを気の毒に思ってほしくない」
「チームを正しい方向に向け、昨日(サモア戦)と同じような姿勢をみせ、スコットランドからしっかりと勝利をあげることが大事だ」
(c)AFP