G20閉幕、オバマ氏「シリア内戦終結で一致」IS壊滅を
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【11月17日 AFP】トルコで開かれていた20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)が閉幕した16日、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は現地で会見し、今回のサミットでは4年にわたるシリア内戦を終結させ、「悪の顔」を持つイスラム過激派を壊滅させるかつてない好機を得たと評価した。
先週末に仏パリ(Paris)で129人が犠牲となった連続襲撃事件は、地中海(Mediterranean Sea)に面したリゾート地アンタルヤ(Antalya)で2日間にわたって開催された今回のG20サミットに影を落とした。サミットに出席した首脳らは、シリア内戦を終結させるとともに、パリ襲撃で犯行声明を出したイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」を壊滅させるために一致団結していくことを目指し、慎重な一歩を踏み出した。
オバマ米大統領は「これまでとは違い今回、一定の希望がもたらされたのは、シリア内戦をめぐるあらゆる立場のすべての主要国が、戦闘を終わらせるプロセスで初めて一致したことだ」と語った。さらに、ISの指導者たちにとって「安全な隠れ場などどこにもない」と述べ、ISを容赦なく追撃していくと述べた。ただし、米軍地上部隊の派遣については否定した。
仏同時襲撃事件を受け、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は国内で陣頭指揮を執るためサミットを欠席し、ローラン・ファビウス(Laurent Fabius)仏外相が代理出席した。しかし、オランド仏大統領は広範な対IS連合の結成を視野に、数日中にオバマ米大統領、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領と会談する予定だ。
■パリ襲撃で異例の特別声明
今回のサミットでは、通常発表される首脳宣言とは別に異例の特別声明が出された。その中で首脳らは、パリ同時襲撃事件を「全人類に対する容認できない侮辱」だと表現。具体的な措置として、情報共有、国境通過の追跡、航空安全の強化、イスラム過激派戦闘員の移動の阻止を宣言した。
欧米の首脳が今回特に目指した目標は、シリア内戦を解決していく上で、ロシアのプーチン大統領との間にある大きな見解の溝を埋めることにあった。プーチン大統領はサミット後の会見で、ISと戦うために同盟の結成が「できると単に思うだけでなく、どうしても必要だと考えている」と話した。(c)AFP/Alex PIGMAN