【4月16日 AFP】スペイン1部リーグ、レアル・マドリード(Real Madrid)のジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督は15日、欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)に出場するフランス代表チームを「セックステープ」スキャンダルを理由に外されたカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)が落胆していることを明らかにした。

 フランスサッカー連盟(FFF)は13日、同国代表のディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督が、6月10日に開幕する大会でベンゼマを招集しないことを発表している。ベンゼマはフランス代表でチームメートだったマチュー・ヴァルブエナ(Mathieu Valbuena)を「セックステープ」で脅迫したとして起訴され、昨年12月には代表招集を無期限で見送られる処分を受けていた。

 現役時代にW杯と欧州選手権で優勝を経験しているジダン監督は、「そういった立場にないので、今回の決定についてコメントするつもりはないが、選手については話すことができる」としてベンゼマと話をしたことを明らかにした。

「今回の欧州選手権でプレーすることを切に願っていたので、彼はかなり落ち込んでいる。われわれは皆、彼がどのような選手で、何をもたらすことができるのかを知っている」

「競技という観点で、サッカーを愛する人たちは落胆しているだろう。同時にシーズンを最高の形で終えるよう伝えた。それが彼にとって重要であり、すぐに立ち直らなければならない」

 しかしながらジダン監督は、アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)で好調を維持するアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)がベンゼマの穴を埋めるのか問われた際、フランス代表の現役最多得点記録を持つベンゼマを除外する決定について批判的な立場であることを示している。

「グリーズマンについて言及しているのではない。チーム全体についての話だ。欧州選手権には最強の布陣で臨む必要がある」

 レアルは16日にアウェーのヘタフェ(Getafe CF)戦を控えており、ジダン監督の関心は首位FCバルセロナ(FC Barcelona)にさらなるプレッシャーをかけることに注がれている。

 12日に行われた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2015-16)準々決勝第2戦で、レアルはクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)がハットトリックの活躍をみせ、第1戦の0-2のビハインドをひっくり返して4強入りを果たしている。

 ヘタフェに勝利すればレアルは、公式戦最近5試合で1勝しかしていないバルセロナとの勝ち点差を1に縮めることができる。バルセロナは17日にホームでバレンシア(Valencia CF)と対戦する。

 ここ12試合で勝利のないヘタフェは、11日にフラン・エスクリバ(Fran Escriba)監督を解任し、元アルゼンチン代表のファン・エドゥアルド・エスナイデル(Juan Eduardo Esnaider)氏を新監督に迎え入れており、ジダン監督は油断は禁物だとしている。

「われわれが順当に勝つとみられているが、1部残留の生き残りをかけて戦い、指揮官を代えたばかりのチームとの対戦は一筋縄ではいかない」

「選手は集中している。彼らは13もあった勝ち点差を4まで縮めた事実を理解している。われわれは諦めるつもりはない」

(c)AFP/Kieran CANNING