【7月12日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は11日、3週間後に開幕するリオデジャネイロ五輪の開催地ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)を視察した結果、「世界を迎え入れる準備は整っている」との見解を示した。

 IOC調整委員会のナワル・エル・ムータワキル(Nawal El Moutawakel)氏は、大会前の最後の視察を終え、各会場や選手村はスタートの合図を待っている状態だと述べている。

「コルコバード (Corcovado)の丘やシュガーローフ・マウンテン(Sugar Loaf Mountain)の風景から、西部バーラ(Barra)地区や北部デオドーロ(Deodoro)地区にある最新式の施設、さらに大会を象徴するマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)やコパカバーナビーチ(Copacabana Beach)に至るまで、世界最高のアスリートたちが世界に才能を示すための大会に、これ以上ふさわしい景観は想像できません」

 南米大陸初開催となるリオ五輪は来月5日から21日まで行われるが、現在のブラジルは厳しい不景気に加え、閉会式の数日後には、職務停止中のジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領の弾劾裁判が控えるという政治危機にも直面している。

 さらに、セーリング競技の会場となるグアナバラ湾(Guanabara Bay)の深刻な汚染問題、蚊を媒体とするジカウイルスへの不安、多発する暴力犯罪、そして地下鉄の拡張工事が完了していないなどの問題も浮上している。

 それでもIOCは、これらの問題は十分な対応策が取られているとしており、汚水が注がれているグアナバラ湾については、「水質レベルが大幅に改善されている」と強調。リオ五輪組織委のカルロス・アルトゥール・ヌズマン(Carlos Arthur Nuzman)氏も、「素晴らしい大会を実現する」と言い切った。(c)AFP