【7月23日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は22日、国家ぐるみの薬物違反が認定された問題をめぐり、自国の選手団がリオデジャネイロ五輪の出場を全面的に禁止されるのを回避するため、死にもの狂いでドーピングの撲滅に取り組む姿勢をアピールした。

 プーチン大統領は政府の各閣僚に対し、「ロシア当局の公職、すなわち政府、大統領およびわれわれ全員がスポーツ界にドーピングの余地を与えてはならない」と強調すると、「これを実行するため、国際オリンピック委員会(IOC)の懲戒委員会、世界反ドーピング機関(WADA)、そして国際競技連盟(ISFs)とできる限り緊密に連携する必要がある」と述べた。

 露大統領府(クレムリン、Kremlin)の最高権力者であるプーチン大統領はまた、失墜したロシアのイメージを回復するため、自国および海外の専門家を含めた反ドーピング委員会の設置をロシア五輪委員会(ROC)に指示している。

 一方、IOCは24日に理事会を開き、来月5日から始まるリオ五輪について、衝撃的なドーピング違反が明らかになったロシアの出場を全面的に禁止すべきかどうか話し合う予定になっている。

 これに先立ち、21日にはスポーツ仲裁裁判所(CAS)が国際大会への出場を禁止されたロシア陸上チームの異議申し立てを却下する裁定を下しており、この判断はIOCが同国の選手団をリオ五輪から締め出すかどうかの重要な判断材料になるとみられている。

 スポーツ大国のロシアがリオ五輪に出られなくなれば、五輪ムーブメントは最近の数十年で最大の危機に陥ることになり、モスクワ(Moscow)としては、IOCが全面的な出場停止処分を下さないことを期待している。(c)AFP