【9月13日 CNS】中国では10月の大型連休、国慶節を控え、多くの観光施設が入場料の値下げを発表している。その中には知名度の高い施設も含まれ、無料にしたところもある。入場料を値下げしたら、その観光施設はどうやって稼ぐのだろうか。

 国家発展改革委員会によると、8月末時点で21省が157観光施設の値下げもしくは無料化を発表した。今後、国慶節までにさらに157施設が加わる予定。

 観光施設の入場料の高さは、これまで観光経済成長の足かせとされてきた。中国政府も、広域観光の促進に向け、国有観光施設の入場料の値下げを求めていた。

 中国観光研究院産業所の呉麗雲副研究員は、「高すぎる入場料は、観光客の選択の権利を奪っている。観光施設の公共性も発揮できない。入場料の値下げでより多くの観光客が恩恵を受けるだろう」と話した。

 しかし、入場料で遺跡などの修復や施設の管理を行っている観光施設からすれば、値下げは経営上の大きな圧力となる。

 呉副研究員は「観光施設は入場料でなく、消費者により多様なレジャーやサービス、商品を提供することが求められる」と述べた。

 故宮博物院(The Palace Museum)は、芸術関連商品の売り上げが2017年に10億元(約160億円)に達し、年間の入場料収入にほぼ並んでおり、他施設でも同様の取り組みが求められそうだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News