【5月9日 AFP】タイのピピ・レイ島(Koh Phi Phi Ley)にある、映画『ザ・ビーチ(The Beach)』の舞台として有名になったマヤ湾(Maya Bay)について、当局者は9日、サンゴや野生生物の完全回復を目指し、閉鎖期間を2年延長することを明らかにした。これを受けて、観光業界からは強い反発の声が上がっている。

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 崖に囲まれ、紺ぺきの海に面したマヤ湾は、米俳優レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)さん主演の2000年の同作をきっかけに知名度が高まった。

 大勢の日帰り観光客らが訪れることによって、白い砂浜を誇るマヤ湾に悪影響が出ているとの懸念から、タイ当局は昨年6月に同湾を閉鎖。

 同国を訪れる3800万人以上の観光客にとって大人気のスポットだったこの砂浜の閉鎖期間について、当局は当初4か月としていたが、再開は繰り返し延期されてきた。

 国立公園当局の顧問は9日、AFPに対し、同湾の「生態系を完全に回復」させるべく、閉鎖期間を2年延長して2021年の半ばまで入場禁止にすると述べた。

 さらに再開後も、1日当たりの入場者数制限や湾内での停泊禁止といった措置を講じる方針だという。

 同湾の閉鎖前には、連日最大5000人の観光客が訪れ、木々やその他の植物が荒らされ、土壌浸食が進み、湾内のサンゴに深刻な被害が出ていた。(c)AFP