発育不良。それは、ただ単に低体重であるということ以上に深刻な問題である。発育不良は生まれる9カ月前から生後24カ月までの発育において最も重要な時期の栄養不良に起因することが多く、低体重とは違ってそのダメージを取り戻すことはできない。また、発育不良のお母さんは身体的にも精神的にも弱さを抱えているため発育不良の子どもを産む可能性が高く、その子どももまた低体重の子どもを産む傾向がある。まさに発育不良は何世代にもわたる問題だ。発育不良の主な原因である栄養不良を防ぐ方法として、母乳育児がある。母乳には生きた細胞である免疫細胞が含まれている。母乳で育てることが子どもの健康を維持する最適の方法だ。無論、発育不良は発展途上国に限ったことではない。母乳で育てる時間がある女性は少ないという現状も踏まえつつ、子どもを健やかに育てるために、母乳で育てることの重要性を全世界の人々に知ってほしい。

[日本大学東北高等学校 緑川 琴音]