香港キャセイ航空のスローサー会長が辞任、引退のため
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【9月5日 AFP】香港のキャセイパシフィック航空(Cathay Pacific Airways)は4日、ジョン・スローサー(John Slosar)会長(63)が引退のため11月6日付で辞任すると発表した。民主派デモをめぐって中国政府の怒りを買って以降、キャセイ航空では著名な経営幹部の辞任が相次いでいる。
中国の国営メディアと当局は数週間前、キャセイ航空の従業員2万7000人の一部が香港を揺るがす反政府デモに参加したり、賛同したりしているとして同航空を猛批判。以来、キャセイ航空は多難に見舞われてきた。
キャセイ航空が香港証券取引所で開示した情報によると、スローサー氏の辞任は「引退」のため。後任は、同社の主要株主であるスワイヤーグループ(Swire Group)のパトリック・ヒーリー(Patrick Healy)氏が務め、11月6日の取締役会の終わりに交代するという。
アナリストらによると、社内で起きた今回の政治的粛清により、キャセイ航空は中国によるさらなる制裁を阻止できる可能性があるという。
しかし中国政府にくみしたことで、香港の発展と共に72年にわたって育んできた香港を象徴する企業という評判は地に落ちたとの非難の声も上がっている。(c)AFP / Jerome TAYLOR