【8月28日 AFP】世界保健機関(WHO)は27日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」宣言の根拠となる規則の見直しを検討する委員会を設置すると明らかにした。WHOに対しては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応をめぐり、緊急事態宣言を出すのが遅すぎたなどの批判が上がっている。

 WHOは1月30日、新型コロナウイルス感染症をめぐりPHEICを宣言した。当時、中国国外の感染者数は100人に満たず、中国以外では死者も確認されていなかった。

 しかし、公衆衛生上の緊急事態への準備や対応について規定する、現在の国際保健規則(IHR)には、全面的なPHEICより低い中程度の警戒水準は、国際的なものも地域的なものも存在しない。

 WHOに対しては、米政府を筆頭に、新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)の対応を誤り、緊急事態宣言を出すのが遅すぎたとの批判が上がっている。

 WHOの専門家らは1月23日と24日にも協議を行っていたが、その時点では新型コロナの流行が、全面的なPHEICに相当するほど高い警戒水準にあるとの結論は出されなかった。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は27日、インターネット上で開かれた記者会見で、新型コロナのパンデミックは世界各国とIHRにとっての「厳しい試験」だったと発言。IHRの改定が必要かを検討するため、審査委員会を設置すると述べた。(c)AFP