【5月28日 AFP】世界的に有名な英国の宇宙物理学者で、2018年に死去した故スティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)博士の論文やさまざまな私物が、後世に保存されることになった。

 英ケンブリッジ大学(Cambridge University)図書館と英国の博物館グループ「サイエンス・ミュージアム・グループ(Science Museum Group)」が、英政府との合意に基づき、420万ポンド(約6億5000万円)で博士ゆかりの品々を取得した。

 1万ページに及ぶホーキング博士の科学論文やその他の文書などは、博士が死去した英東部の大学都市ケンブリッジ(Cambridge)に残される。

 学術論文や、博士が出演したテレビ番組の台本などの1944~2008年の文書は、アイザック・ニュートン(Isaac Newton)やチャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)の論文と共に保管される。

 博士の車いすや音声合成装置、ケンブリッジ大学の研究室などが、ロンドンの科学博物館(Science Museum)に保存され、一部は来年から公開される。

 2018年3月に76歳で死去したホーキング博士の遺灰は、ロンドンのウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)にあるニュートンとダーウィンの墓のそばに埋葬された。

 理論物理学者だったホーキング博士は、時間と空間の性質を説明する相対性理論や、最小の粒子の動きを扱う量子論など、宇宙の謎を解明することに人生をささげた。

 1988年に出版されたベストセラー書籍「ホーキング、宇宙を語る(A Brief History of Time)」では、宇宙の法則やブラックホールをめぐる難解な科学を広く一般に伝えた。(c)AFP