バイデン氏、6兆ドル規模の予算案 米経済「再創造」目指す
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【5月29日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は28日、6兆ドル(約660兆円)の歳出を求める2022会計年度の予算案を発表した。米経済の「再創造」と対中国の競争力強化が目的だが、実現すれば債務残高は過去最高規模に膨らむ見通し。予算案はまず、議会からの承認を得る必要がある。
大きな予算が充てられた分野の一つがインフラ関連で、その規模は当初2兆3000億ドル(約250兆円)と提案されていたが、議会との交渉により1兆7000億ドル(約190兆円)に縮小した。このほか、1兆8000億ドル(約200兆円)は政府出資の教育や社会事業に充てられ、バイデン氏はこれが21世紀型の労働力強化につながると主張している。
予算案は大統領の要望や優先事項の表明としての意味合いが強く、予算を最終的に編成するのは議会だ。与党・民主党は現在、議会で辛うじて過半数を維持する状態にとどまっている上、野党・共和党は連邦政府の権限強化を警戒。さらにはバイデン氏支持派の一部からも、新型コロナウイルス流行の余波から回復しつつある米経済がインフレーションの悪循環に陥る可能性に危機感を示す声が上がっている。
ただ今回の大規模予算案は、バイデン氏の戦略に具体的な数字を盛り込もうとする政権の決意を示すものだ。中国との競争は米国の存亡をかけた問題だとするバイデン氏は、中国に対抗する上での政府と企業の関係見直しに取り組んでいる。(c)AFP/Sebastian Smith