【6月15日 CNS】中国国家衛生健康委員会が発表した「中国喫煙健康影響報告2020」によると、中国の喫煙者は3億人を超え、喫煙率は高い水準でとどまっている。たばこが原因の死亡者は毎年100万人以上で、喫煙率を大幅に削減しなければ2030年には200万人、2050年には300万人に増加するとしている。

 中国ではこれまで1984年、1996年、2002年、2010年、2015年、2018年に全国的な喫煙調査を実施している。報告によると、15歳以上の喫煙率は1984年の33.9%から2018年には26.6%に減少した。男性の喫煙率は61%から50.5%に、女性の喫煙率は7%から2.1%に低下した。政府が掲げる「健康中国2030計画」では2030年の喫煙率を20%に下げるとしているが、喫煙率は高い水準で推移しており、大きなギャップがある。人口で見ると15歳以上の喫煙者は3億800万人で、男性が2億9600万人、女性が1180万人。

 報告では、喫煙が慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)や気管支ぜんそく、間質性肺疾患などを引き起こし、呼吸器系統の感染症、結核、気道機能不全、静脈血栓塞栓(そくせん)症、じん肺症のリスクを高めると指摘。2018年の中国の非喫煙者の受動喫煙暴露率は68.1%で 2015年に比べ改善しているが、国立呼吸器医学センター主任で世界保健機関(WHO)禁煙・呼吸器疾患予防共同センター主任の王辰(Wang Chen)氏は「 7億人が受動喫煙にさらされ、深刻な健康被害を受ける恐れがある」と警鐘を鳴らしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News