【11月11日 CGTN Japanese】第11回大域的軌道最適化競技会(Global Trajectory Optimisation Competition、略称GTOC)が7日午後9時(日本時間)に終了しました。競技会は28日間にわたって行われ、清華大学航天航空学院宇宙力学・制御プロジェクトチームが計8443点で優勝しました。GTOCで中国チームが優勝するのは今回が初めです。

 GTOCは、欧州宇宙機関(ESA)が2005年に開催を提案した、高水準で専門的な国際競技会です。宇宙ミッションの最適化設計分野で世界最高水準の競技会であり、宇宙業界の「オリンピック」とも呼ばれています。1〜2年に1度開催され、期間は4週間、目的は世界で最も優秀な宇宙・数学分野の専門家を招き、「ほぼ解決不可能な」宇宙探査の複雑なミッションの最適化設計に挑むことです。過去の大会では米航空宇宙局(NASA)やESAなどが優勝しました。

 今年は、宇宙資源の探索・利用をテーマに、「ダイソン球」として知られる環状に分布する宇宙発電所を建設して最大の資源利用効率の獲得を目指しました。競技会の出題は、宇宙探査分野の最先端技術に関するもので、工学的応用が期待されます。世界各地からこれまでで最多となる94チームが参加しました。

 今回参加した中国チームは、清華大学航天航空学院の宝音(Bao Yin)教授と蒋方華(Jiang Fanghua)准教授が率いる宇宙力学実験室(Laboratory of Astrodynamics)と上海航天技術研究院衛星工程研究所のメンバーからなります。同チームは長期間蓄積した高効率最適化アルゴリズムと理論の成果を生かし、小惑星探訪の全体的な探索と最適化に対して、ユニークな「清華プラン」を提示しました。

 なお、競技会の結果が発表された直後に、準優勝のESAは中国チームへの祝福のメッセージを表明しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News