【12月17日 AFP】ラグビー元オーストラリア代表の名FLとして知られたデビッド・ポーコック(David Pocock)氏が17日、政界進出を目指して来年の豪総選挙で上院議員に立候補すると表明した。首都キャンベラを含む首都特別地域(ACT)で、無所属候補として出馬するという。

 ジンバブエ出身のポーコック氏は、ワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)として通算78キャップを記録し、キャンベラに本拠地を置くスーパーラグビー(Super Rugby)のブランビーズ(Brumbies)でも7年間プレー。2019年に代表から身を引き、昨年現役を引退した。

 ソーシャルメディアでの出馬表明では、変化をもたらしたいとして「今はこれまで以上に、政治的な勇気が必要だ」と投稿した。

 アスリートは競技に専念すべきとの批判の声を退けながら、同氏は現役時代から性的少数者(LGBTQ)や気候変動などの問題を熱心に訴えてきた。同胞のイズラエル・フォラウ(Israel Folau)が同性愛嫌悪の発言をした際には反発したほか、同性婚の権利を訴えるなどして、前向きな変化のために自身のプラットフォームを生かしたいと話していた。

 2014年には豪東部ニューサウスウェールズ(New South Wales)州の炭鉱開発に抗議し、自身を掘削機にしばりつけて逮捕されたこともあったポーコック氏は、上院議員になった暁には気候問題をはじめ、オーストラリア先住民との協力関係の構築、そして国の政治的品位を改善することに取り組むとしている。

 ACTを代表する定員2人の上院議員は、これまでいずれも二大政党である保守派与党・自由党と中道左派の野党・労働党から選出されており、ポーコック氏が当選するためには前例のない高い支持を得る必要がある。

 次期総選挙はまだ日程が決まっていないが、2022年5月下旬に実施されるとみられている。(c)AFP