【2月9日 AFP】北京冬季五輪に出場する女子スノーボードのジェニス・スピテリ(Jenise Spiteri)は、地中海きってのリゾート地として知られるマルタのウインタースポーツを盛り上げるという特異な任務にあたっている。米カリフォルニア州出身で、髪の毛をレインボーカラーに染めるスピテリは、ルーツを持つマルタ代表として今大会に参戦するたった一人の選手だ。

 ユーチューブ(YouTube)チャンネルの登録者数が3万人を超えるスピテリは、「ほぼ毎晩、朝の4時か5時まで」起きていて、今大会での自身の最新情報をファンに提供しているという。

 スピテリは9日に行われた女子ハーフパイプ予選の1回目で転倒し、2回目は最後までクリーンに滑り切ったものの、得点は予選トップだったクロエ・キム(Chloe Kim、米国)が記録した87.75点には遠く及ばない25.25点に終わった。

 22人中21位で10日に行われる決勝への進出を逃したスピテリは、「みんなのリアクションが最高」だったとし、「世界中のマルタの人たちから、スノーボードで戦うマルタ人を見るのはクールだと言ってもらえた」と語った。

 29歳のスピテリは、1回目と2回目のランの間にポケットに入れたことを忘れていたパンをかじったことを明かし、 「2本目のランに備えてベルトを締めていたとき、ポケットの中に感触があってパンが入っていた。それを少しかめば転倒の痛みが和らぎ、楽しめるのではないかと思った」と語った。(c)AFP